―日々の診療で先生が気をつけていることは?

インタビュー特に勉強会や研修会など、日々の治療技術の鍛錬に力を入れています。形成の練習、技工士さんとの打ち合わせでの印象の採り方など同じ作業を何度も何度も繰り返し手に手と頭で憶えます。歯科業界は日進月歩なので常に新しい技術や知識が生まれ終わりがありません。我々ドクターも常に勉強の繰り返しです。

例えば後処理が大変ではあるのですが、治療技術のレベル向上のために練習用として豚の頭の骨等を仕入れています。実のところ材料代は凄まじくかかるのですが(笑)こういう投資については惜しまずにやっていこうと思っています。この練習は歯周外科のテクニックなのですが歯周外科のテクニックを駆使してインプラントをするので、それが出来ていないと逆にインプラントは出来ないと考えています。基本的な基礎力、いわゆるベーシックな治療技術力を徹底的に修得します。その基礎力があって応用が出来るようになってくるんです。そしてさらに“応用をより応用”させることができるわけです。あとは実践力になってくるわけなので、こういう日々の鍛錬は非常に大切になってくるわけです。

――副院長先生はICOIの国際インプラント学会認定医を取得し、多くのインプラント治療を経験されていますが、それでもまだ練習だと?

経験ここ数年はこういった実習素材を使っての練習の繰り返しですよ。当院の歯科医師は皆それをやっています。今はお亡くなりになられていますが“ゴッドハンド”と呼ばれていた著名な先生のお話などをお聞きすると、そういった方ほど基本治療の練習をず~っと繰り返し繰り返ししたらしいんです。すごい治療をしている先生方も、影ではコツコツ努力しているんだなと…。

これまで医院としても歯科医師としても症例数で実績を積んでいますが、それでもそんなお話を聞くと、やはりもっともっと努力しなければいけないなと感じます。突き詰めれば突き詰めるほど歯科の技術は奥が深く終わりがないと思います。

勉強会に参加するから「勉強」ではない

――さまざまな勉強会への参加経歴はそのドクターのレベルをはかる基準となるのでしょうか?

僕の治療技術は、歯科大学で学んだこと、そして開院当時から海外に足を運んで治療技術を修得した院長から教わったこと、そして今参加しているレベルの高い数々の勉強会、その3つの集大成を試行錯誤しながら今の自分のやり方として確立しています。

インタビューですから勉強会に参加するから「勉強」ではないんですね。勉強会で学んだものを取り入れることによってそれをどう消化して自分のものにしていくか。消化して初めて勉強会に行った価値があるわけです。参加費払って修了証や認定証をもらって数を集めて終わり、ではないんですね。「行くだけ」だったら勉強でもなんでもないわけでそれは大きな間違いです。参加履歴を集めるだけであればそれはただの趣味や勉強会オタクです。修得したものは患者さんにフィードバックして自分のものにしていかないとほんとに役に立ちません。

今までの治療と同じことをやっていれば、不足の自体や壁にあたることも少なく一時的には楽かもしれません。人間という生き物はとかく環境の変化を嫌う動物ですが、ここで変化を恐れていれば、この先、歯科医院として歯科医師として生き残れないと考えています。それが「勉強」の本質だと思うんです。

――先生の医院では「インプラントありきではない」という考えの下、さまざまな治療選択を患者さんと一緒になって考えると。そんな中、予防歯科などにも積極的に医院として取り組まれていますよね。最近よく聞くMIについてもお教えください。

「MI」というのはミニマル・インターベンションとかミニマム・インターべンションと呼ばれる最小限の侵襲という治療概念ですね。「歯を削る量を極力少なくして、今ある歯をできるだけ残す」という考え方で、世間では主に「虫歯(カリエス)」についてこのMIが述べられています。

僕の考え方というのは少し違ってもっと広義で「歯を残すために最大限どう努力するか」です。マキシマムインターベンションとでも申しましょうか。ある意味、歯を抜くことにならないように早期予防をすることが最大のMIかもしれません。MIの概念は今に始まったことではなく、現在はほとんどの先生がその考えを持って治療しています。昔に比べたら虫歯の患者さんは減ってきていますし、虫歯よりも気をつけなければならないのは歯周病だと考えています。

そうすると「予防歯科」となってくるわけですが、予防歯科についても大半の歯科医院が、クリーニングや歯石除去、ブラッシングなどしか、予防歯科の治療方法について触れられていません。また世間一般の認知度もそんなものだと思います。しかし予防の概念の中に、歯並びやかみ合わせの改善が大切であるということは触れているところも少なく、まだあまり認知されていないのではないかと思います。
当院はカリエスで考えた場合はMIではないのかもしれませんが、歯を残すという口腔内全体を考えた場合は、ある意味MIなのではないかと考えています。

当院ではチームスタッフ全員が国家資格である歯科衛生士さんの資格を持ち、歯石除去やPMTC、ブラッシング指導などを衛生士自身の主導のもと、積極的に行っております。予防プログラムに衛生士さんの力はかかせません。また衛生士さんが衛生士さんを育てるためのスタッフ教育システムを取り入れ、技術と知識の向上に努めております。

――世の中にたくさんのインプラント歯科医院があります。ホームページなどでもたくさんのクリニックがありますが、ドクターの目から見た歯科医院の選び方のコツなどはありますか?

面白いけど難しい質問ですね。他のドクターの治療を実際にクリニックにいって見れる機会は少ないですし。インプラント医院でいえば、考え方の偏ってない先生、自身が出来ること出来ないことが自身でわかっている先生、それでいてその自分の治療方法についての考察がある、一言で言えば結果に正直な人がいいかと思います。それが一番だと思います。

テクニック一つとってもそうですね。抜歯即時だけ、グラフトレスだけ、GBRだけ、何か一つの治療法に偏りがちではよくないかと思います。インプラント治療がこれだけ市民権を得た理由、それは骨のあるところに埋入して固定しくっつき予後が良好だったからです。骨の無い患者さんにもインプラントを適応するために骨造成が生まれたんですね。骨造成治療については個体差によって結果にはまだばらつきがあります。当院が「インプラントありき」の治療をしないという理由はその点にもあり、別の治療方法の選択肢も考えないといけません。インプラント一辺倒、義歯一辺倒ではなく、オールラウンドに対応できる歯科医院がよいかと思います。

当院の院長がインプラントを始めて30年という長い期間やってきて分かってきたことは「長い目で見たときのインプラントの成功の秘訣」というのもあるんですね。これもここでは割愛させていただきますが、院長と話し合ってこれからのインプラントの方向性を樋口歯科医院なりに見えてきたつもりではいます。

相性のよい先生との出会いが大事

またほんとに担当の先生との相性だと思います。すごく印象的な話がありまして、九州のとある著名な先生からお聞きしたことなんですが、同じ治療をしたとしても患者さんとドクターの信頼度(信頼してくれるかどうか)で治療の結果は大きく異なるとおっしゃっていました。不思議な話ですが治療の結果を左右する数字には表れない何かの要素でもあるかと思います。

インターネットは実際、その医院を知るキッカケや窓口だけでしかありませんが、写真や紹介文などを見ていただいて何かしら感じ取っていただける部分があるかと思います。お口の事でお困りの出来るだけ多くの患者さんにお会いしてお話を伺わせていただければと思います。

樋口副院長先生のクリニックを来院される際はぜひこの「インタビュー記事を見た」とお伝えください。あなたにとっての今最善の治療方法のアドバイスをしていただけると思います。

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