同じ目線・同じ土俵で物事を見ることができる
歯科衛生士は、国家資格を保持し、プロとして歯科の事に当然詳しいのです。一般的な職業のパート・アルバイトさんと違い、歯科衛生士という職業として自覚と責任感が強くあります。
皆さん、例えば学校を卒業して就職先や仕事を探すとき、自分は何になろうか?と迷ったりしませんか。歯科衛生士さんは、専門の歯科衛生士学校を卒業し、歯科衛生士という道があります。
プロフェッショナルとして、患者さんに対して接しますので、アルバイトの立場、アシスタントの立場とは違いが出てきます。言われたことだけをこなし、勤務時間を何気なく過ごす立場ではないんです。プロとしての責任を持ち、虫歯や歯周病などの治療に対して、我々ドクターと同レベルの目線で物事を見ます。
歯科助手の方は、そういった教育がなされていない分、スタートラインや立ち位置が歯科衛生士と全く異なります。歯科助手さん(アシスタントさん)だけによる診療補助だけでは、当院が望む治療レベルは成り立ちません。
当院が歯科衛生士さんしか雇用しない理由は、患者さんに対して最高の歯科治療を提供するためです。全員がプロフェッショナルのライセンスを持つチームスタッフです。
実際にお口の中を触り、お口の状態を確認し、治っていく様を見ることができる立場です。その分責任があり、やりがいもあるわけです。
開業当時、歯科衛生士さんは一人もいませんでした
昭和51年の開業当時は診療ユニット2台からスタートいたしました。そのうちに多くの患者さんにいらしていただくようになり、ユニットも増え「どうしても歯科衛生士さんが必要だ」という状況になりました。その当時は歯科助手さんもいたのですが、開業から5年くらい経った時に「歯科助手さんではダメだ」と判断しました。当院が理想とするレベルの歯科医療を提供できなかったのです。
専門の受付を一人置き、あとは全てのチームスタッフを歯科衛生士さんにシフトしていきました。
当院では全身管理のスクリーニングをする関係上、実は数名の看護師さんが在籍していた時期もありました。が、やはり看護師さんはお口の中を専門にしていないので、血液検査における採血等では大変役立っていたのですが、長続きはしませんでした。歯科の勉強も当然していなかった立場ですので、歯科助手の方とそんなに差がなかったのです。
これは看護師さんという立場の方を上手く業務に取り込めなかった当院のせいでもあるかもしれないのですが、やはり“ナース”ではなく“ハイジニスト”だけのプロ集団が当院では必要だったのです。
その当時、相模原でも歯科衛生士だけの歯科医院はうちだけで珍しかったと思います。今現在でも多人数の全員が歯科衛生士のみで構成されている歯医者さんは珍しいのではないでしょうか。現在では30年以上、歯科衛生士だけのクリニックとして診療しています。
常に「なぜ・どうして」を考えて動くのが歯科衛生士
例えば、歯科用セメントの材料を練る作業にしても、この治療にはこの材料、など、様々な種類の材料があります。「このセメントでよいですか?」逐次確認を取ります。この治療にはこの材料・器具でよいのか?常に疑問を持ち、理解しながらドクターの横で連携を取ります。同じ材料を練る作業一つにしても違いが出てきます。
バキュームを持つ行為一つとっても違いが出ます。ただお口の中に溜まったお水を吸うだけ、ではないのです。歯科衛生士さんがいることで、どれだけドクターの仕事が助かるか。仕事のクオリティが全く違ってきます。
スタッフ全員が歯科衛生士のクリニックは、医療としてのレベルも絶対に高いと言えるでしょう。
歯科衛生士さんを育てていくこと
歯科衛生士の一番大事な仕事は患者さんの「口腔衛生管理」です。患者さんと密に長く接する職種。プロである担当者が付くことは患者さんにとっても安心感につながります。
学校を出て免許を持っただけではそこどまり。ライセンスを持っただけでなく、さらに高めていくためには勉強が必要です。そこで当院としては「年に1回以上の研修会に参加」という義務を設けています。
一見厳しい環境かもしれませんが、当院をもしやめて違うクリニックに移ったとしても、どこの医院に行っても第一線で活躍できるような人材を育てていこうという取り組みを行っています。
歯科衛生士の技術を高めていけることは、医療サービスの向上につながりますし、何より患者さんにとって有益になります。
歯科衛生士さんのレベルアップを常に高めていくことは、医院としての取り組みとしてはとても大事な事なのです。