樋口歯科医院は1980年よりインプラントを導入しています
当院は院長である樋口 慎一が1980年からインプラント治療を導入し、当時、今のようにインプラントが世間に認知される前からいち早く相模原の地で行ってきました。30年以上の歴史、年間約100症例以上の実績があります。ここでは当院のインプラントの主な特徴について述べていきます。
当院インプラントの特長
インプラント学会専門医・認定医による治療
“インプラント専門医・認定医”というのは、インプラントの学会でドクターの学識と経験を認めた場合に認証するもので、学会の推薦状のようなものです。インプラント治療だけに限らず、歯科医療業界全体は目を見張る速さで日々進歩しております。
私たち歯科医師は患者さんに高いレベルの治療を施すには、向上心を持って常に新しい知識・技術を習得していかなければなりません。そのようなインプラント歯科医師を判断する上で一つの目安となるのが「学会認定医・専門医」かどうかがあげられます。
日本口腔インプラント学会 専門医
当院の院長が保有しております。日本口腔インプラント学会は1972創立の歴史ある日本最大のインプラント学会で、この学会の場合、
- 学会に5年以上在籍
- 100時間以上の研修を受講
- 研修終了後5年間に一定数以上の症例を経験する
- 口腔インプラント指導医2名(内1名は施設長)の推薦
- 口腔インプラントに関する論文を本会学会誌、又は委員会が認める外国雑誌 に1編以上発表している
…等、十数項目の条件があり、初めて専門医の試験を受けることができます。
学会員約10,000名のうち専門医の資格保持者は公表されている人数で約100名です(2010.07.01現在)。インプラント治療は高度な技術と専門的な知識・設備が必要になります。詳しくは以下、日本口腔インプラント学会・公式HPをご参照ください。
ICOI(国際インプラント学会)米国認定医
当院の院長と副院長が取得しております。ICOIは1972年に設立された世界最大規模のインプラント学会です。本部はアメリカ・ワシントンにあり、2万人以上のメンバーが所属しています。
*ICOI:International Congress of Oral Implantlogists
CT撮影で立体的に撮影、安心安全
インプラント治療で大事なこと、その一つに術前の診査・診断があげられます。通常のレントゲンですと、平面的な2次元画像しか得られず、骨の状態(厚さや密度)、下あごの神経の位置(これにインプラント体が触れると危険)など様々な安全確認が必要となります。
CT撮影がないと「インプラントを盲目でやっているようなもの」という意見もあるくらいです。
インプラント治療に限らず、すべての歯科治療において3次元的に正確な診断を可能にしました。一般CTとは異なり、患者さんは横にならずに座ったままで気軽に撮影できます。
撮影時間は約18秒で、非常に楽に撮影を受けられます。1回の撮影で構築させる3次元画像領域から、任意の方向の高精度な3方向断面画像が得られますので、より精度の高い診査・診断が可能となりました。
CTで診断できること
インプラント治療に限らず、歯科用CTは以下の診断にも役立ちます。
- 歯周病・虫歯の術前診断
- 歯列矯正の術前診断
- 歯科治療後の予後の確認(不具合の有無の確認)
- 親知らず・埋伏歯などの過剰歯の有無・チェック
- 腫瘍・できもの等の病変のチェック
- かみ合わせ・顎関節症の診断
- ▲当院の設置の様子
- ▲気軽に撮影が可能
- ▲3D画像で視覚的に
院内歯科用CTのメリット
- 放射線量の低減
- 短時間の撮影
- 撮影後の早期の画像処理・診査・診断
- 大学病院・大型総合病院などのCTがある施設まで通っていただく必要がない
- 医科用の大型タイプより圧迫感がなく、座ったまま気軽に撮影可能
- トラブルへの即時対応が可能(術中の経過診査・観察など)
歯科医院におけるCT導入は、治療全体の安全性や診断の幅を広げる重要な役割を担っていると言えるでしょう。「医療施設の充実」と言った意味では、CTを導入しているかどうかは歯科医院を選ぶ基準の一つとなるといっても過言ではないかと思います。
術前シミュレーションとして患者さんへのご説明も、画面上で分かりやすく行うことが可能です。術者にとっても、患者さまにとっても視覚的に分かりやすく、イメージしやすいシステムといえます。
骨が足りない・薄い難症例インプラントにも対応
当院では患者さんに対して最新・最善の治療を提供できるよう、日々、研究会などにも積極的に参加し、技術の向上に努めておりますが、その中でも骨造成・再生治療によるインプラント治療にも対応しております。
骨が薄い・足りないと他院で断られた方でもまずはご相談ください。
PRPやCGFなどの血液由来の成長因子を用いた再生治療
- ▲Concentrated Growth Factor (CGF)
- ▲生成された血小板濃縮フィブリン
- ▲PRP生成の遠心分離機
当院では、遠心分離機を使用して患様ご自身の血液からPRPを精製し、インプラント治療に活用しております。PRPとはPlatelet Rich Plasma(多血小板血漿)の略語で、採取した血液の中から濃縮した血小板を取り出した血漿のことです。
インプラント治療にPRPを用いるメリットは…
- 骨質が悪い症例でも成功率が高くなる
- 歯槽骨の増強に使用する
- インプラントの骨結合や歯茎の治癒を促進する
- 術後の腫れが少なく痛みが伴わない
・・・などです。
次に当院で対応している主な骨造成のテクニックについてご紹介いたします。
GBR(骨再生誘導法)
歯を失ってから時間が経過していると、周囲の歯槽骨が吸収されていきます。GBR(骨再生誘導法)は歯槽骨の骨幅が不足している部分に、粉砕した自家骨もしくは骨補填材を置き、その上に人工膜を置き、骨の再生を促進する治療法です。
サイナスフロアーエレベーション(上顎洞底挙上術)
上顎の骨の上には上顎洞(じょうがくどう)と呼ばれる大きな空洞があります。上の奥歯が無い場合、歯がなくなることによる「歯槽骨の吸収」という現象がおき、時間とともにこの空洞が拡大し、インプラントを埋入するのに十分な量の骨が無くなってしまいます。そこでこの上顎洞に移植骨や骨補填材を充填して、上顎洞の底部分を押し上げ、骨が出来上がるのをまってからインプラントを埋入します。以前はサイナスリフトと言われた術式です。
術前の上顎。インプラントを
埋入する高さが足りない
術直後。膜を押し上げ
骨補填材を入れた様子
骨がしっかり出来てから
インプラントを埋入
オステオトームテクニック(上顎洞底挙上術)
オステオトームテクニックは、特殊な器具を使って上顎洞底部を押し上げ、押し上げた部分に骨補填材を填入し、歯槽骨の高さを確保します。サイナスフロアーエレベーションが上顎洞までの骨の厚みが1~7㎜の場合に行うのに対して、オステオトームテクニックは8~10㎜の場合に対して行います。インプラントを埋入する部分(歯槽頂)から押し上げるので、傷口が小さくて済むというメリットもあります。
ソケットプリザベーション(歯槽提保存術)
ソケットプリザベーションとは、骨の吸収を防止するために、抜歯の時点で人工骨などを「穴」に入れて骨を再生させる方法です。抜歯すると、歯があった場所に「穴」があきます。この「穴」を抜歯窩(読み:バッシカ)と言います。抜歯窩は、時間とともに周りの骨の吸収が進み、痩せて薄くなってしまいます。そうなってしまうと、インプラントを埋め込むことが難しくなるため、骨再生治療を行います。骨が痩せて薄くなる前に処置をしておく方が負担が少なくてすみます。
あくまでも低侵襲を考えております
副院長より一言
このように樋口歯科医院ではさまざまな骨造成治療に対応しておりますが、患者さんのお体のことを考慮し、事前に術前診査・診断をしっかり行ってから、骨造成治療を行っております。
骨造成を行えば、少なからず侵襲とインプラントを埋入するまでに期間を必要としますので、慎重な治療判断が必要となります。
衛生管理・滅菌対策
インプラントは外科処置ですので、感染しないよう清潔な環境の手術室で行う必要性があります。通常の診療スペースとは別に、個室スペースの清潔なインプラントオペ室を完備しています。インプラントに伴う外科的処置を清潔な環境下で行うことができます。
器具の洗浄機・滅菌パック・滅菌器で感染対策を行い、患者さんが安心してインプラント治療を受けられるよう、衛生管理を医内で徹底しております。
オペ室の様子と設備
▲埋入用エンジン
▲無影灯を天井に設置
▲生体モニターで全身管理
▲オペの様子
クラスB滅菌器を導入
樋口歯科医院では、ヨーロッパ基準のクラスB滅菌器を2台導入し、インプラント治療に使用する器具の滅菌を徹底して行っております。一般的な滅菌器よりも滅菌できる領域を引き上げ、院内感染対策を行っております。
歯科用タービンの筒の中まで綺麗に滅菌が可能で、中にはクラスB規格の滅菌器でないと滅菌できない器具もあり、やはり患者さんのお口の中に入れる物だから、クラスB滅菌器は必須でした。2台導入しているクリニックは珍しいと思います。
採血による術前血液診査で安心
当院では、術前診査・診断の一つとして、採血による検査を行っております。これにより全身の健康状態を把握し、外科手術のリスクを推測・回避します。
歯医者で採血? 血液検査でわかること
患者さんの中には、「え?採血ですか?」と意外なご感想を持たれる方もいらっしゃいます。
当院では、採血による術前検査を開院当初からいち早く導入いたしておりました。
血液検査による検査項目は数十種類あります。主に白血球数・赤血球数・ヘモグロビン・血小板数・血液中のタンパク質・脂質・糖質・酵素などの成分を調べます。その結果、肝疾患・心臓疾患・糖尿病・高脂血症・動脈硬化症などの疾患がわかります。
その検査結果を診て異常がないかを確認します。もし、患者さんが自覚症状のない病気の可能性があれば、患者さんの主治医の先生に意見を伺ったり、内科などの他科をご紹介することも可能です。
こうした血液検査はインプラント治療を予定される患者さんには必ず行うようにしております。インプラント治療以外の患者さんでも、ご希望がある場合やこちらで全身状態を把握したい場合に行うようにしております。
このように、あらかじめお体の状態・疾患などを把握しておけば、安全で安心なインプラントオペを行うことができます。
インプラント術前における採血の重要性
インプラントの成功率(骨とインプラントが結合する率)はその患者さまのお体の状態によっても左右されます。一般的に特に喫煙者・糖尿病の方などは成功率が下がる傾向にあります。
そのような疾患の疑いを事前に血液検査で調べることができるのです。
糖尿病の疑いのある方・喫煙をされている方は、なるべく食生活・運動や喫煙を見直し、手術当日までに全身状態を少しでも改善することにより、オッセオインテグレーション(インプラントと骨の結合)を早めることが可能となります。結果として、インプラントの確実な初期固定と良好な予後を得られることが、各国発表のデータで明らかになっております。
患者さんの安全面・健康面を考えての採血
院長先生より一言
インプラントや親知らずなどの抜歯は外科処置に当たります。一般的に外科処置では全身状態を術前に把握しておくものであり、その為の採血は決して大袈裟なものではなく、ごく自然な行為なのだと感じております。患者さんの安全面、健康面を考慮してこそ、ある意味「必然」の術前診査が血液検査なのだと考えます。
当院の治療例
前歯の違和感と見た目を治してほしいとの主訴で来院された患者さんです。前歯1本にインプラントを入れ、それ以外の歯も患者さんのご要望をお聞きし、審美歯科によるセラミック治療との併用で治しました。
インプラント治療の基本的な流れについてご説明しております。お口の状態やお体の状態・治療内容により、治療過程は変わります。事前に治療計画についてもご説明しておりますので参考になさっていただければと思います。
よくある質問 Q&A
ここでは、患者さんから寄せられたよくあるご質問にお答えしております。インプラント治療をお考えの皆様にぜひ参考にしていただければと思います。
- インプラント手術は痛いですか? 腫れますか?
- インプラント手術は、お口の中だけの十分な局所麻酔をするので、手術中の痛みはありません。抜歯と同じ程度とお考えいただければ分かりやすいかと思います。また、当院では、手術中眠った感覚でインプラント治療をお受けいただける静脈内鎮静法や術後にお出しする痛み止めのお薬など、痛みを軽減する様々な方法を行っております。
- 治療期間はどれくらいかかりますか?
- 2回法の場合、あごの骨に埋め込んだインプラントが周囲の骨と結合するのに、個人差はありますが上顎で約6ヶ月、下顎で約4ヶ月かかります。骨とインプラントが結合した後、頭出しの手術を行い治癒を待つのに約1~2ヶ月。その後、上部構造が入るまでに状況によりますが1~3ヶ月位が目安となります。
- 年齢制限はありますか?
- 骨の成長がほぼ終了する最低16歳以上で、医学的・解剖学的に条件がみたされている限り、どなたでもインプラント治療をうけることができます。ただ個人差はありますので、その点をふまえ、CT撮影などで骨格などのしっかりとした術前診査を行ってから、治療可能か判断するようにしています。
- 以前の自分の歯と同じように噛めますか?
- インプラントは顎の骨に埋め込み、結合され支えられています。このため自分の歯と同じように噛むことができます。入れ歯によくある「ガタつき」もないので、入れ歯よりもしっかりと噛めるようになり不快な思いをすることもなく、入れ歯特有の不自由さから開放されます。
- どのくらいもちますか?寿命はあるのでしょうか?
- インプラント自体はチタン製なので日ごろのお手入れ・メンテナンスをしっかり続ければ半永久的に機能します。逆にお手入れがしっかりできていないと天然歯と同様に歯槽膿漏のような状態になり、インプラント周囲の骨がやせてきてグラグラ動いてしまいます。1970年代にインプラント治療が行われ、今現在40年以上機能しているという報告もあります。
- 金属のネジを入れるということが不安です。大丈夫ですか?
- インプラント体は普通の金属とは違い、「チタン」という人間の身体との親和性が高い金属を使用します。歯科治療以外にも人工関節など数多くの医療現場で使われています。チタンは骨とくっつく性質をもっております。患者さんのアゴの状態に合わせたサイズの小さなものを埋め込んでいきます。親知らずの抜歯よりも侵襲は少ないと言われているほどです。
どのようなことでもお気軽にご相談ください
院長より一言
インプラントが一般的に普及し身近になりだしてから随分と時間が経ちましたが、まだまだ少なからずご心配なこと、不安でなかなか聞き出せないことがあるかと思いますが、当院ではそのような皆様のご質問にもお答えしております。どのような些細なことでもかまいませんからお気軽にお問い合わせいただければと思います。
インプラント治療の流れ
問診・カウンセリング
インプラント治療を受けたい理由や要望などを伺います。インプラントを入れたい理由や、患者さんのご要望を明確化します。
診査・診断
CT撮影・採血により、歯の状態・歯茎の状態・顎骨の状態・全身の状態など、十分な診断を行います。歯を失った原因の検査や口腔内の検査などと骨の様子も診ます。このことを踏まえ埋入位置を検討します。
最終的な治療計画を患者さんと話し合いカウンセリングをしっかり行い、患者さん、歯科医両者が納得して、始めてインプラント治療を開始します。
説明
各種の検査結果に基づいて診断を行い、今後の治療方針や期間、費用などについてドクターの独断ではなく患者さんと一緒になって考えます。
インプラント手術前の処置治療
他の歯に虫歯があったり歯周病にかかっていると、すぐにインプラント治療はできません。手術の前に、検査で発見された虫歯、歯周病、歯槽膿漏、虫歯治療など、残存歯の治療を行います。
歯周病などが重度の場合など、傷んだ歯を抜歯することもあり、その部分の治癒を待つため、普通数か月待ってから手術を行いますが、中には抜歯即日や抜歯数週間後に手術をする抜歯後早期埋入法を行うことができるケースもあります。
インプラントの埋込手術
インプラント(フィクスチャー)を局所麻酔で骨のなかに埋め込みます。局所麻酔のため痛みはほとんどありません。手術の時間は埋めこむ本数によりますが、1本にかかる埋入処置は約10~20分程度です。
インプラントが骨と結合するまでの治癒期間
インプラントと骨がしっかりとくっつくまで約6~24週間待ちます。この期間、一般的にはインプラントの上に仮歯を入れておきます。即日から食事のできる仮歯もご用意しております(※骨の状態など、様々な条件により異なります)。手術後何日間かは、抗生剤や炎症を抑える薬を服用していただきます。
第二次手術
埋まっているインプラントの頭を出し、人工の歯を接続するアバットメントという土台を取り付けます。
*この第二次手術は、STEP5の第一次手術と同時に終了する場合もあります。
インプラントに被せる歯を作成・装着
上部構造(人工歯)の型を取り、歯並びや色をチェックしながら人工歯をつくります。人工歯が完成したら、装着。
メインテナンス
治療が終った後は、その後数ヶ月に一回のペースで定期的な検査やメンテナンスを行います。